究極のナビゲーション・システム

「天の声を聴く」

 

  カルチャーショック多き 敏(主人公の名)

敏は会社人としては人並みにやって来たが、

家庭での方向付けが巧く出来ない人である。

同じ家族でもコミュニケーションの形が違う事への気付き(感度)

が鈍かった。

 

あるキッカケで、小さな研究所を構え、独立した。

日柄、取材で外出する他は机に向かっての、著述

(どうも作文になってしまう)

一方、家人と接する時間が長くなったためか、夫々の生活パターンの

違いに気付いた。

  一日の時間(朝・昼・晩)をどのように配分するかと言った基本的な

ところが異なる。

  いわゆる「朝方」「昼型」「深夜族」

だいいち、長年連れ添ってきた伴侶との交信(判りにくい表現ですネ)

がギコチナイ。

  コアタイムは10時〜3時の5時間となった(決めた訳ではない)

まして、殆ど成長の過程に参加しなかった子供たちには

異次元の世界を感じる。

  言葉が通じない

(これが一番のカルチャーショック・・・我が家は日本ではないのか?)

彼らも、敏の表現を理解できないと盛んに主張するが、

どうしたものか

 

デジタル的発想/思考とアナログ的表現

阿吽の呼吸と言う言葉があるが、簡単には行えない。

発想/思考は頭脳と言った「デジタル処理器官」が行い

相手への働きかけ、「表現」は目に見える形とする

(これをアナログ的と定義)

互いに「考えのプロセス」は見えない「無空」

この結果を「形色」で現し、五感へ「形色」作用する

空即是色の世界

 

  敏の行動パターンは気が短い

勤め時代は根っからの生産技術者として、年中現場を飛び回り、

日々の変化を取材。(住所不定状態)

この繰り返しで、モノを言わないハズの機械/設備からシグナルを

受け取れるようになる。 いわゆる「予知保全」の走り

工場(こうば)の変化は目に見えない、と言う声を多く聞いたが、

敏にはそれが理解できなかった。

「ナゼ解らない」「形が無いのかな」などと余計な悩みを持ち、

モンモンとしつつ社内共通語(と言えるか)を考え

それをデータベース化することとした。

しかし、「解らん」のパターンは千差万別、プレテは一人

かくして、本当の自分(原点)を見失う

 

独立後、社会に飛び込んだ敏は「八方美人」になっていく

いやはや世間は広い・・・毎日が新鮮な出会いである

業種による言葉(業界用語)や、習慣(ルール)を学ぶに付け、

面白さが広がっていった。

しかし、多くの人たちとコミュニケーンを図るうち、

理解が難しい人種(失礼)も当然いる。

ピンポンの様な意思疎通を行うために、判りやすいサイン

(合言葉・キーワード)を用いる方法で出来るか、

そのサイン「空」を形「色」にする方法のパターンは作れないか?

 早速、「無・・・脳」で考えはじめる

(特に敏の言葉は「短すぎて難しい」と言った定評・・・これが諸悪の根源)

  D/A変換が下手

 文章は長く(簡潔にならない)、言葉は短い(手抜きナンです)

 

 自分を見つめなおそう

空即是色の実験

1999年12月の慧(さとし:敏の生まれ替わり)の行動は

 中国・四国地方を地図を持たずに回れるかである

 出来るか出来ないかなら出来るに決まっている

しかし、彼が自分に与えた方法は

 7ヶ月かけ敏が作ったキャンピングカー(移動居間)がある。

ハイエース(2700cc、ディーゼル、ターボ無し)

これを、多目的車に再改造した。

多目的車にはテーブル以外何も無い(空)

部品を「取るだけ」だから話は早い

 

   前述したが地理案内無し(他人に聞いてはだめだヨ)

   敏の考えを理解したか、

それを5体5感を駆使して実行する力はあるか、

をチェックする科挙みたいなもの。

   <目的地>を強く求めることで、道案内は出てくるか?(が仮説)

 そして最小の費用と時間(行程)で行うこと、

お金はタバコが買えなくなるまで手にしない

(1回の入手量は1万円)

などの条件も付いた。

 名づけて「究極のナビゲータ」

 

自分なりには、「空即是色」の意味と、

それを解り易く表現する方法を発見し、我が家の再構築を行う・・・

と言うテーマ

言い方を変えれば、意思疎通の工夫の知恵を付けること。

 

1999年11月30日早朝、出発

天命を聴くにも、振出しの「サイコロ」は自分で振る

まず、永平寺へ行こう。

あとは気ままに・・・


戻る