IE基本のページ
「IE基礎」
2002.4.15 荻原
緒論: 強い製造は「ムダのない」物作りが実現出来ていることが基本。
物作りの道具(ハード,ソフト)は専門家が設計し導入するが「ムダ排除」の観点では企画されていないことが多い。
日々工程で作業に携わる人々が,ムダに気付き「改善」することでより効率の良い,生産性の高い現場が実現する
ことになる。
製造業にあって実際に「金」を生み出しているのは,現業の人々である。
IEは,生産性を上げる(改善する)ための基本技術であるが,実際の作業を楽にするための「目」と「技」を身に付ける
ための思考法でもある。
IEの基本である,「動作経済の原則」が何を意味するのかを理解することをまず会得して欲しい。
動作最少・両手同時・移動最短・動作簡単
IEは全てここに帰着する。
本論: 生産技術強化のためいろいろな施策を行っていると思うが,生産技術部門だけを主体としていないだろうか?
道具づくりの部隊が強化されても,実際に使い続ける人々(現場)のレベルを上げておかなければバランスの
取れた施策と言えない。
現場は,日々の生産活動に追われ,目先の対応で精一杯なのが実体であり,計画的な人材育成が行われ難い
環境にある。
現実的に,「忙しいから」と言った理由を経営者が認め勝ちであり,甘えの背景になっていることに気が付いて
いるのだろうか?
ベテランは後輩を指導するより,自分自身が「動く」ことの方が楽であり短期的には仕事の回転が速いため,
人材育成に対する感覚は鈍い。
特に,IEと言う技術は,目に見え難い原因を理論的に解明するために特有の固有技術が必要であり,判り難く
敬遠されがちであるのかも知れない。
経営者は金の流れ(キャッシュフロー)が判りやすく,結果としての利益に目が行きがちと見る。(利益創出の
プロセスをどう理解しているか?)
結論: 当初は,「ムダとは何か」「どうすれば変えられるか」が理解できれば良い。
→ ここがチェックポイント
逐次,中級(応用レベル)上級(実践レベル)につなげるステップで進めれば良い。
そして,人材育成のための指導者を確保することが必須条件。
補足: (ムダ=ロスとも言うが,ムダは絶対にあってはいけない)
⇒こうすれば改善テーマが見えてくる
「ムダ」を見つける目
P(生産性)Q(品質)C(コスト)D(納期…デリバリ)S(安全)M(士気)
E(無くす,消す…erase)
C(くっつける…combine)
R(入れ替える…replace)
S(簡易化…simplify)
⇒人手作業の改善
金にならない動き(ムダ)は徹底的に無くそう
むだな汗はかくな
「・・・にくさ」の追求
⇒機械加工の改善
機械は動いている時しか金を生まない
(もっと言えば加工機は加工をしているときだけ価値を生む)
⇒生産期間の短縮
何に時間が掛かっている(停滞,溜まりはないか)
現場作業だけでなく,会社としてのプロセス全体に目を向けるのが経営者の任務
(間接での時間浪費に目を向けること)
⇒ロスをつかもう
(標準化は有効な手段)
→人手ロス確認にはトランプ,ピンボードなどを使うとよい
国際標準が数値化されている
→機械ロスは,設計能力を把握しておくことで比較しやすくなる
但し,安全率と言う得体の知れないムダを設計者は盛り込むので
限界値を知って置けば見抜ける
⇒ロスをなくそう
(作業効率の改善)
→「効率」とは何か(能率とは違う)
効率:成果に対する労力と時間(経営資源)の投入比率
経営的には重要な指標となる
能率:単位時間あたりの仕事のはかどり具合
現場監督者には目に見やすい指標であるが,ムダな動きでごまかされ易い
(仕事の定義が曖昧になっているケースが多い)
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