悩める生産技術者に贈る書


 

 

 はじめに

 

 モノ作りを忘れ始めた日本。

 特に、大企業ほど顕著。

 地域によっては、小企業がチエを絞りながらモノ作りに励んでいるのに・・・

 一般的に、モノ作りを担当する技術者を生産技術者、あるいは製造技術者と呼び、

資源が乏しい日本で効率的な作り方を実践して来ました。

 この意味からも、日本特有のカラーが出来て行った様です。

 長引く不況下、安い労働力を求め海外展開していますが、

最近では固有の生産技術を設備ごと輸出してしまい、品質的な競争力も脅かされています。

 不安定な米国経済の根幹は、モノ作りを放棄したこと(IT産業に特化)

 今、日本はその後をトレースしています。

 

 俺は別に悩んじゃいないよ、と言う方は読み進まなくて結構です。

 私自身、優秀な生産技術者に大勢お会いし直接コミュニケーションを取る中で、

目的意識と、実現のためのプロセスを確実に会得されている方が沢山いらっしゃることは事実として認識しています。

(その様な方向けの書籍ではありません、と言う意味です)

 

 生産技術職場に配属され、活躍中の皆さん、元気ですか。

 毎日楽しく仕事をしているかな?(楽しい仕事なんてあるもんか・・・なんて声が聞こえそうですが)

 でも、なんでこんなこと言うのかって逆に質問されそうですね。

 実は、私自身の日常経験の範囲ですが、

本当に楽しく仕事に取り組んでいる生産技術者が少なくなった、と感じているからなんですね。

 私自身が特別なのかも知れないのですが、モノ作りが大好きで、

 生産技術職場を希望し、その通り配属されたと言う経緯があるのです。

 課長も可愛がってくれ、

 生産技術者の在り方と言うものを入社時から叩き込まれた。

 工場(現場)の実体は全て把握しておくこと、生産財がどこに転がっているかも掴んでおくこと、など

 「工場は日々変化しているものなんだよ」と身をもって教えてくれた。

 配属当時の会社は活気があり、変化の連続と新しいものの創出のチャンスが多く、私には楽しい毎日が過ごせた。

 学生時代苦手だった材料力学・熱工学も実務には欠かせず、時間の合間を見て、復習できた。

 今では、職業訓練校で教えられる位の知識と経験は身に付いた。

 

近年の不況、特に製造業における企業環境は厳しくなっている。

 実際に工場に勤務している人たちは、切実に感じているのではないだろうか。

 経営者が、経営負担を軽くするために最初にやることは、経費の節減である。

 交通費・広告宣伝費・教育費と言った3Kが真っ先のターゲットとなるが、

交通費はうなずける(無駄な出張のなんと多いことか)

広告宣伝費・・・これも工夫次第で削減できる。

しかし、教育費の場合はむやみに削るものではないと思うのだが。

万人に均等に行おうとすれば、多くのムダ金となって浪費されるが、

有能な人材には金を掛け知識・経験・地力を付けさせる事が会社発展の原動力である。

(企業は人なり)

実際には目前の実務に追われ、活躍中の皆さんには、実感としての共感は出来ないでしょうが、自分自身の処遇を見直してもらいたい。

私自身、大手企業に二十五年在籍し、様々な経験をさせてもらった。

その間には、好況期もあれば不況時もあったが、三十五歳で課長職に就いてからは、ずっと会社側(経営者)のやり方をまざまざと見てきた。

製造業=モノ作りは人手が基本であり、好況時には成り振り構わず(質を無視すると言う意味)人を雇い、現場にばら撒いた。

反面、不況時には臨時・社外工などから手当たり次第に解雇し帳尻を合わせていた。

しかし、そんなやり方にも限界はあり、やがて正社員のローテーションが始まった。

具体的には、間接部門から直接部門への異動(出向)であるが、候補と成り易い間接職場は、品質管理と生産技術だった。

ナゼか分かりますか?

共にアウトプットが明確に出せない職場なんですね。(管理指標が不明確)

開発・設計は図面や製品と言う具体的な現物がアウトプットとして認知させ易いが、前述の二職場には、それがない。

では、品質管理(最近では品質保証と言う企業が多い)の仕事ってなんでしょうね?

工場の管理指標の一つ、しかも真っ先に掲げられているものが「品質第一」なんですよ

(現場にかんばんが掲げられています=安全第一は基本)

それでいて、品質管理(保証)部門が軽く見られているのはナゼでしょう。

答えは、その機能を現場に委ねてしまっていること。

前述した「管理指標」にはあと二つあります。

納期厳守とコスト削減の二つですが、実はこの指標を実現させるためには、仕組み作りが不可欠なのです。

それを具現化させるのが生産技術部門なのですが、

これは直接製造に掛かる部門の評価に摩り替わってしまい、生産技術がないがしろにされてしまうのです。

製造を熟知している経営者(社長)がいる企業では絶対にあり得ない現象です。

本編は具体事例は別記しました。

本文中に羅列すると、逆に論点がぼやけてしまうと思いましたので・・・

これらは、あくまで私自身の経験談ですので、参考程度に読んで下さい。

 

泣Iーペック(荻原生産技術研究所)

代表 荻原 敏

 

平成十五年四月


第一章    生産技術って面白い?

 

一、生産技術は縁の下の力持ち

 生産技術職場に配属されたあなたへの質問ですが、

 嬉しいですか?あるいは

 貧乏くじを引かされたと思っていますか。

 私の経験では、喜んでいる人は少なかったと

 記憶しています。

 第一の理由は、仕事が明確でないこと。

大きな括りで組織は出来ていますので、何をやるのかは大体分かるのです

が、実務レベルになると、

 新人時代は先輩社員の腰巾着になり、

 ああしろこうしろの世界に入って行き、

 自分自身の役割が明確に示されない(気付かない)状況に陥ってしまい、

 開発部門に配属された、同期の連中との仕事振りと比較してしまうのです。

 でもね、彼らが作る図面は、製品ではないんですよ。

 それが、製品と言う実体に変って、

 初めてお客さんに見せられ、

 「商売」に進んで行くのです。

 じゃ、実際にモノを作る現場では、図面を貰って直ぐに、製品に出来ると思いますか?

 人手と道具と材料・部品があれば、

 追っ付け仕事で形は出来ます。

 が、効率的な作り方を現場で編み出せると思いますか?

 答えは「ノー」です。

 皆さんは、既に分かっていると思いますがモノ作りには、

 セオリー(原理・原則)があるのです。

 正式に勉強して来た人もいると思いますが

 IE(インダストリアル・エンジニアリングと言います)をシッカリ身に付ければ、

セオリーを自分のものとすることが出来、効率的なモノ作り、

 ひいては工場作りを実現することが出来ます。

 既に経験済みの方もいるでしょう。

 その様な姿を作り、現場に渡すのです。

 だから、生産技術は縁の下の力持ち。

 

 二、生産技術者は現場人たれ

 良く聞く話しとして、

 最近の若い生産技術者は

 現場を知らないし、現場に足を運ばない

 と言うことですが、

 あなたの職場はどうですか?

 先に何回も述べましたが、

 効率的な工場(現場)作りは生産技術者の仕事です。

 何がどの様に作られているのかを知らなければ、理想像は描けません。

 また、「現場は生きている」とも言いますが、

 これは、あなたが良かれと設計し敷設した現場には

 「作業者」と言う人間が居るのです。

 彼らは彼らなりに、

 やり易さを見付け出し

 あなたが狙った通りの生産活動を行わなくなります。

 いわゆる「手抜き」が始まるのです。

 こう言った変化を即座に発見するには、

 現場通いは欠かせないのですが、

 生産技術の担当者は、新しいテーマで忙しくて

 現場なんか見ていられない、

 と言うのが常套句になっている様です。

 そう言った生産技術者を抱える企業の多くは

 ろくな現場を持っていません。

 生きている現場の

 変化を見抜く現場人になって下さい。

 現場で現物と現実(現象)を直視する=三現主義と言います

 

 三、得意技術を深耕せよ

 人間スーパーマンではありませんから、万能選手なんていません。

 特に裾野の広い生産技術分野では

 オールマイティーな知識・経験を有する人は稀です。

 ですから、

 例えば「切削」のことなら任せろ、

 とか、「組立て」なら俺さ、位の自信が持てるレベルまで研鑚して下さい。

 企業によっては、登録制度があり

 難題発生時に即、適任者を検索出来る様にしている所もあります。

 技能分野になりますが、

 国家資格である技能士に挑戦するのも手ですね。

 生産技術者なら

 ・数値制御旋盤作業技能士

 ・NCフライス作業技能士

 ・機械保全作業技能士

・機械製図技能士

など

 

 四、幅広い知識を習得せよ

 何度も言いますが、

 生産技術は、生産活動の「入り口から出口まで」が守備範囲です。

 具体的には、

 材料・部品の物流(荷姿や運搬方法と納品時期)設計

 工場内の機械配置(同一機能の集まりを工程と言う)と

 材料の配置(工場内配膳)と分配、

 人手作業そのものの設計と「作業標準」の作成、

 素形材・中間仕掛・完成品の、在庫計画と流通計画など

 一つのフロアーを考えただけでも、やることは沢山あります。

 夫々の機能は普通、分業化され××部○○課担当某氏、となっていますが、

 複数の組織・人間が効率的に(ムダ無く)動けるかが問題になります。

 いわゆる、意思疎通が巧く行くかどうか。

 皆さん「俺が虫」になっていて、

 人の言うことは聞かない、

 アドバイスも与えない、

 結局困った人が動くことになる。

 しかし、これで見掛上は結構巧く廻っているのですね。

 だから、組織の壁が問題なんて口では言いながら何も手を打たない。

 その結果、一番困る人(職場)は誰だと思いますか?

 直接現場が一番の当事者で、

 火の車状態になっていて、日々自分達で解決している。

 結果的に、権限が現場に集約されると言うことになるのです。

 

 五、IEは基本(ムダ探しの道具)

 現場の仕事は何でしょう?

 計画通りに良品を作ること、に集約されます(モノを作る職場)

 そこに、余計な管理業務を押し付けたらどうなるでしょう。

 パニック状態になります。

 そんな状態で効率的な作業が生み出されますか?

 効率的(=ムダが無いと定義)な作業は、冷静な目で見て初めて実現出来るのです。

 そして、科学的な見方をすること、

 これがIEと言う技術の世界で、合理的に導き出されるのです。

 残念ながら、現場でIEを駆使出来る人はそう多くいません。

 それが理由かどうか分かりませんが、以前勤めていた会社では、

 現場の課長職には

 生産技術職場出身者が任命されていました。

 結果、生産技術職場自体の弱体化を促進させたとも言えますが。

 (先生がいなくなる)

 現実的に、現場が強くなり

 品質・納期・コストが

 計画通りアウトプットされれば

 企業としては、問題なしと見てしまう。

 本当は、一過性なんですけどね。

 企業の成績は「利益」で括られてしまい、赤字が出なければ問題なし、として判断されます。

 (残念ながら、問題の本質が潜在化してしまう)


第二章 生産技術の役割

 

一、    巧いモノ作りの実現

「巧いモノ作り」ってなに?

当然の疑問ですよね。

ハッキリ言って私にも分からない。

(なら書くなってか?)

本音を言うと、

「巧さ」と言うものが定義できない。

言い方を換えれば、

・楽して

・速く

・良いものを

・時間どおりに

・余さず作ること でしょうか。

 最初に「楽して」が来るのは、

 苦労してやった結果は、良いものが残らないことが多いからです。

 誤解しては困りますが「手抜き」ではないですよ。

 所定の作業(質と量)を無理なくスムーズに行う姿のこと。

 次の「速く」は、

 時間がコスト(原価)に直に反映されてしまうからです。

 専門用語ではチャージと言いますが、

 これを短縮するのが、大袈裟に言えば永遠のテーマなんですね。

 「良いものを」は分かりますね。

 ただ、間違えて困るのは

良すぎるもの

ではないんです。

図面どおりのモノを作れば良い。

しかし、この領域は、品質保証との兼ね合いがあり、生産技術だけでは決められないと言う制約はありますが!

「時間どおりに」も分かりますね。

でも、現実には時間どおりに出来ない場面が多い。

これは、文字で読むより現場で実感して下さい。

(無責任な様ですが、要因が複雑に入り組んでいて、書ききれないんです)

「余さず」ですが、

その手本はトヨタ生産方式です。(ここでは詳細は述べません)

生産量と標準時間で、完了のタイミングは計算できます。

企業により生産品目は異なりますから

生産開始から完了までの時間は一概には言えません。

短い単位では「秒」で終わることもあるでしょう、その時に最終の完成品以外のモノが無いと言うことです。

部品が余って残る

なんてことは問題なんですね。(組み付けミスが考えられる)

ところが、

現実には部品在庫の山になっている所が多い。

ナゼかは、皆さん夫々考えて下さい。

考える時のヒントですが、モノを「金」で換算して見て下さい。

(モノには全て金が掛かっているいることをお忘れなく)

完成品は、やがて販売され「現金」に変ります。

部品単位で売れることも、たまにはありますが、ほとんどは現金が化けて寝ている状態で、これを在庫と言います。

企業は現金が最終評価ですから、在庫は罪悪になってしまうのです。

(現場の責任と言ってしまえばそれまでですが・・・)

これにも理由はあるのですが、ここでは詳細は述べません。

 

二、新しい作り方を創出せよ

巧いモノ作りに大分紙面を使ってしまいましたが、本項も関連はあります。

人と言う生き物は、慣れた方法や使い慣れた道具を使い続ける、くせがあるようです。

逆な言い方をすれば、変化を嫌がる。

長期間、同じモノを作っていても、作業や工程、部品供給などにムダが発見できます。

そのムダを取ることを「改善」と言っていますが、具現化には代替案が必要になり、結果的に

新しい作り方が生まれる訳です。

しかし、作るモノが変ったらどうなりますか?

部品の加工、組立てなど全てを換える必要が生じることもあるでしょう。

加工の場合、

工作機械自体を換える場合があります。

大抵、メーカーの新機種を選定するのですが、

適切かどうかを十分検証されていますか?

理想的には、ユーザー側がアイデアを出し、

必要な機能に

絞り込んで作れれば、他社は購入できませんから、

競争力になるのです。

組立ては、

設計に頼るところが大きいのですが、残念ながら

組立て性を考える設計者はいません。

通常DR(デザイン・レビュー)

と言うものをやり、関係者の意見を聞くものなのですが、

あなたの会社はどうですか?

私は、大手家電メーカーの製品を「ティアダウン」したことがありますが、

各部品は置くだけでネジ穴がピタリと合い、しかも、ネジの挿入方向まで統一されていました。

組み立てに要する時間が大幅に短縮出来る様に設計されているのですね。

組み立てる部品の順番も決められており、手順どおりに行えば、

干渉も無く短時間で組めました。

随所に新しい作り方が見られました。

だから言うのです、

新しい作り方を創出せよと・・・

 

三、自分の存在を無くすことがゴール

何だか嫌な表現ですが、理想的な現場が出来上がったとき、

生産技術者はいらなくなるのです。(分かります?)

でも、安心して下さい。

完璧な現場なんてどこにもありません。

だって、

変化は続いているのですから、先に述べた生産技術業務「テーマ」は無くならないのです。

ただ、自分自身マンネリ化してはダメですよ。

マンネリ化とは

変化に対応出来なくなった姿であり、その時、

あなたはローテーションの対象になるのです。

(生産技術職場から消えることになる)

 

四、自分の手を汚せますか

今までは理想的なことを、机上論として述べて来ましたが、

頻繁に現場に出て、自分の手で作業することです。

ただそれだけで、現場の人達の見る目が変ります。

表現は悪いのですが、現場の人が間接の人を見る目は

「机に向かって、楽してる」

と映っているのです。

「やつは、言うだけでなく、実際に出来るんだ」

と言う評価を受ければ、あなたの意見は通り易くなります。

現場の課長の目に止まれば、大したものです。

だから、くどいようですが

現場に積極的に入って来る間接者は「自分たちの仲間」と言う見方に変るのです。

特に、生産技術者は真っ黒になるまで自分の手を汚すことで、

直接関わる現場と

仲良くなれるのです。

 


第三章 生産技術者の心構え

 

 一、現場と本気で喧嘩できますか

喧嘩なんて書きましたが、本気で殴り合いはダメですよ。

あくまで、精神諭です。

(現場は豊富な実戦経験にものを言わせて攻めて来ますから、それに打ち勝つだけの論理武装をしておくこと)

これも、経験を積むことで身に付きます。

意見交換をしている時に

喧嘩状態になる場合があるのですが、

技術的にシッカリした裏付けを持っていれば、説得できます。

前に、生産技術者は現場人たれと述べましたが、

所詮は組織の壁があります。

新しい作り方を創出しても、現場はなかなか受け入れてくれません。

大抵ここで諦める生産技術者が多いのですが、腹を割って説得すれば、

最後には納得してくれます。

不思議なもので、喧嘩腰で行った結果、現場の人たちとの意思疎通が

巧く出来る様になるのです。

 

二、他職場を知れ

企業には組織があり、互いに関連しつつ仕事が流れます。

生産技術職場も、その組織の一つであり、単独に動く訳には行きません。

少なくとも、上流職場

(あまり好きな言葉では在りませんが、前工程と言いましょう)

の開発・設計部門と

次工程の、製造現場の動きは知っておくことです。

知ると言う中には、

彼らの悩みも知れと言うことです。

設計者は機能優先で図面を引きます

(今はCADだから、引くとは言わないか・・・)

ハッキリ言って、作り方など全く意にありません。

また、コスト試算も出来ないでしょう。

(コストテーブルがあれば別ですが・・・)

今引いた一本の線や、部品の構造が幾らになるのかは、全く気にしません。

また、開発途中で試作品を作りますが、

これも殆ど外注任せで、数万円掛かたって気にしない。

機能優先ですから、所定の性能が得られれば良しとする。

そして、図面として決定してしまうのですが、実は試作品を作る時に、

コストダウンのヒントが

詰まっているのです。

本来なら社内の生産技術部門が、試作を行い

作り難さ、構造上の問題などの指摘を行い、

作り易く、安い部品とすべきなのです。

自分の所は社内でやってるよ、と言う会社は

発生源での問題は解決しているはずです。

私の知る企業の多くは、この辺はシッカリしており

羨ましく思ったものです。

設計完了後は出図(その前に登録され、図番が付与されます)され、製造現場に渡るわけですが、

あるべき姿の生産技術部門が絡んでいれば、現場がどんな作り方をしているか熟知していますので、

作業標準と共に渡せば、少しのアドバイスで現場の受け入れ態勢(生産準備)が出来ると言うわけです。

残念ながら、私の居た会社では、生産技術部門に権限が無く

(力が無かったから仕方が無かったのですが)

設計者が現場に呼び出されると言う姿を、多く見てきました。

 

製造現場に関しては、前述してますので省きます。

 

品質保証職場では、何をやっているのでしょうか?

会社により、役割と任務が違いますから、一概には言えませんが、

品質保証技術を持っているか

がポイントですね。

これは、多くの中小企業の経営者のセリフですが、

「文句は言うのだけど、どうすればいいのかを教えてくれない」

また、前と同じだと判断して納入したモノの判断が、

発注企業側の担当者により、あるいは日により代わり

「不良」の判定を受けることがしばしばある、

と言う現実がある様ですが、これこそ品質保証技術を持っていない証拠でしょう。

モノ作りは

材料を変化させることです。

その変化が

許容値にあれば「良品」で

外れれば「不良品」になると言った、非常に簡単な理屈です。

そこで、品質保証の担当者は、変化のさせ方が正常か異常かを

見る目を持ち、

現場にアドバイスを与える必要があるのですが、

実体はこの点が弱いように見受けられます。

(自動車・大手工作機メーカーはシッカリしています)

自社の品質保証レベルがどの程度か、知って置くことは重要です。

(生産技術が補完しなければならない)

では、資材・購買部門は?

「そんな所まで知らないよ」、なんて言わないで下さい。

実は、内作率の低い企業ほど、コストを外部に多く依存しているのです。

資材・購買担当者は、

モノ作りなんて

全く知らないと言っていいでしょう。

単に「コストを何%下げてください」とネゴシエーションの世界に入って行きます。

外注企業は仕事確保のため、自社努力で要求コストを実現するわけですが、

そこには、人間的信頼関係はありません。

実務的に、コストダウン要請は競争社会ですから、避けられません。

しかし、発注側が、ただ要請(強要)するのでなく、

「こうすれば実現出来ますよ」、と言った技術的アドバイスを

同時に与えれば

納得の上で協力体制に入ってくれるのです。

資材・購買担当者に、その能力があればなんら問題なく話しは進むでしょう。

ここの機能ほど、各社マチマチですから、一概には言えません。

担当者の出身学科を調べるのも手ですし、チャンスがあれば話し合いを持てれば良いですね。

もっと欲を言えば、担当者に同行し、外注での対応を目で見ることです。

私の経験では、脅しと泣き落としだけでしたけど・・・

ホント情けない場面に遭遇したものだと、これを書きながら、思い起こしています。

経理とも無縁ではありませんよ。

ある日突然、

「この間の設備投資の効果は幾ら出たの」なんて質問をされることも、あるかも知れません。

何たって会社の金庫番、

金がムダに使われていないかを、常にチェックするのが彼らの役割ですから。

ところが、経理屋さんの使う言葉には、特別な業界用語がある。

その言葉が理解出来なければ、会話にはなりませんね。

既に経験済みの方も居るでしょう。(お疲れ様)

そこまで話しを広げれば、人事も大いに関係すべき職場です。

優秀な人材を確保するために・・・(これは課長の仕事ですね)

 

三、世の中を知ること

資本主義社会では、競争の原理が強く働きます。

その最たるものが、差別化の名の元の各種新製品の続出です。

最近の大手企業の中には、元気が無くて新製品開発もままならない?

不況業種の代表格の工作機械も、進化せざるを得ないのだが、需要バランスが巧く廻らない・・・

大括りでは、企業活動のあり方は変化しています。

市場での、新製品は目に付きますから分かり易いのですが、

それを生み出す、生産技術分野は各社目隠しをしており、知るのは容易ではありません。(特許申請も少ない)

他社の生産技術(モノの作り方)を知るには、前述した(覚えてますか?)

ティアダウンです。

正しい日本語訳ではないと思いますが、身包みはがすことです。

荒っぽく言えば、「分解」ですが、

ただバラせば良いと言うものではありません。

組み立て方を考えながら、

無理なく分解していきます。

部品ごとに番号を付け、

再組立てし易い様に並べていきます。

機能部品は、

再組立てが出来ない構造が多く、

そのままにしておく事があり、

ブラックボックス化

してしまうのが残念です。

予算に余裕があれば複数台購入し,

機能部品もバラしますが・・・(臨機応変ですね)

部品レベルに分解した後は、

直ぐに再組立てではありません。

一品一品作り方を検討します。

材質・重量・形状(加工履歴)など

細かく記録し、

まず、自分達の作り方でコスト試算し、その後

当該社(製造メーカー)での作り方を想像しながらコストを弾きます。

この手法は、慣れが必要ですが、あなた方の中には、経験済みの人も居るでしょう。

運が良いと、直接競合メーカーを見学できる場合もあります。

(生産技術者にとっては、バカにされたと感じますが・・・)

こんな機会があれば、ティアダウンなどいりません。

作り方をつぶさに見られるのですから、記憶に叩き込みます。

時間測定も欠かせませんが、

他社の現場でメモを取ったり、

ストップウォッチを取り出して測るなんてことは厳禁です。

自社でも、現場の人達は「観測される」ことを嫌がりますから、

あくまで、見学と言うスタンスを忘れないで臨んで下さい。

(頭に叩き込むこと)

世の中を知ることの中で、競合他社を知ることは大きなメリットがあります。

良いところは真似して下さい、決して恥ではありません。

産業スパイなんて言葉がある位ですから。

 

四、自社への応用展開を進めること

同業、あるいは異種企業を多く見るうちに、

巧い事をやっているな・・・

なんて感じることが多くあります。

複数の人達で見学した場合、感想を聞くと中には、

「あの会社だから出来るので、うちでは無理ですね」

などと言う人は、必ずいます。

(現場の監督者に多く聞かれる感想です)

あるいは、「うちと同等ですね」なんて自覚のない感想も・・・

そのやり方を、そのまま自社へ導入するにはムリで、

工夫が必要です。

ナゼかと言えば、

企業風土の違いがあるからです。

作り方は一つの伝統です。

先輩が、後輩に伝えていくと言うやり方が多いのではないでしょうか。

そこに、他社のやり方をそのまま導入しようとしても、現場には

「押し付け」

としか捉えられず、実現が難しいのです。

蛇足ですが、自社の海外工場を建設する時も、似たような現象が生じます。

「海外」には文化の違いがあり、日本国内の延長では巧く行きません。

(現地マネージャーを教育した時に実感)

その解決法は、

実体に合うようにアレンジした腹案を「複数」用意しておき、

現場での現状の問題点を、

具体的に質問することです。

この「具体的」に、と言うのがなかなか難しく

(問題意識がないことが多い)

下手をすると、余計なお節介と受け取られてしまいます。

現場の人が同意出来るような「疑問」の投げ方に工夫がいりますが、

あなたが「現場人」になって

一緒に考えるスタンスが基本となります。

現場担当の職制(課長でなくても良い)が

その気(おかしいのかなと言う気持ち)を持てばしめたものです。

後は、まず彼らに考えさせること。

腹案は、まだ示してはいけません。

本質的に、

現場自体が気付き

改善策を練ることが

定着させるために不可欠だからです。

但し、投げ掛けたままで放って置くと、

現場は改善策の思考を、停止してしまいます。

くどいようですが、現場は今のままで

困っていないのかも知れないからです。

そこで、あなたの出番ですが、

少し間を置き、現場に行きフォローするわけです。

失礼な言い方ですが、現場では理屈で考えると言う習慣はありません。

必ず壁に突き当たっているハズです。

それが確認出来たら、あなたの腹案を、

小出しに示してあげるのです。(こんな考え方はどう?と言う形でですよ)

すると、現場サイドは、

良いヒントを貰った

と受け取り、思考を再開します。

この手法は、工場長時代に、あるシステムを導入しようと企画した時に用いました。

問題点を投げ掛け、解決手法を課長以下の職制自身に考えさせました。

(中途半端にならないよう、プロジェクトチームにしましたが)

結果的には、

パート手法を用いて計画し、実行に移しましたが、

計画通りの期日で

狙いのシステムを、導入することが出来ました。

 推進上、工場長と言う肩書きが多分に影響したと思います。

しかし、過去に「押し付けのやり方で失敗してきた」自分自身の反省を活かし、

再挑戦する時に、たまたま工場長だったと、自分自身に言い聞かせました。

ナゼかと言えば、

職位に無ければ、他者を動かせないのでは、多くの生産技術者の行動範囲が制約されるからです。

しつこいようですが、「現場人」=現場の同僚、のスタンスに立つことを忘れないで下さい。


第四章 悩み多き生産技術者

 

 一、出来て当たり前の世界

多くの人は、モノが出来るのを当たり前のように捉えています。

消費者ならまだしも、

製造業の経営者にも、このように捉える人がいるのです。

ある日の、私と当時の社長との会話・・・

 私「当社の生産技術は弱くて仕方ありません」

 社長「そうかな?だって、工場じゃ毎日製品が出来ているぜ」

私「社長、材料と道具があれば人間は器用ですから形は作ることは出来ます」

社長「なら、いいじゃないか」

私「でも、巧く作っているかどうかが問題なんです。当社の現場はムダだらけです」

社長「巧く作るとか、ムダが多いと言うのはどんなことを言うんだ」

私「人が遊んでいないこと、製品が整然と流れていること、工程間在庫が無いことを言います」

社長「・・・」

もう少し会話があったと思いますが、忘れました。

工場と言うのは、材料が入って、製品が出てくればいいのですものね。

ところが、

逆に工程で問題が発生したり、不良品が出来たりすると、責任の全てを負わされるのが

生産技術部門と言う図式。

全ての会社が、そんなことをやっている訳ありませんが、

中には存在しているはずです。

私一人のみが経験するなんてことはあり得ませんものね。

智恵を絞って作り方を編み出し、

巧く現場が立ち上がっても、

別に誉められる訳じゃない。

なかなか立ち上がらないと「生産技術は何やってる」とけなされる。

普通の神経ではやってられませんね。

 

二、具体的成果は現場のものに

 もう何回も述べていますので、くどくは言いませんが、

現場は具体的な形で、製品を「見せます」から、宣伝は要らない。

しかし、生産技術の成果は、結果で論ずるのでなく

製品が生み出される過程で入り込み

「紐付け」

しておくことが、仕掛けとして必要なんです。

それにより、生産技術の関わりが明確に示されます。

生産技術の成果指標は「コスト」と「生産性」ですよ。

狙い通りのアウトプットが出なかったら、

まず、現場を疑う。(自分の仕事に自信があればですが)

結構ムダなことをやっている。

一つの現象は、「人の付け過ぎ」

自動機の監視役なんて、もっての外。

(余った人を巧く外せない結果)

他には、不良品の出方

手扱い不良など、偶発的なものはさて置き(無視は出来ませんが)

問題は、連続する不良で、

この原因には「工程設定=運用」が巧くないことがある。

客観的な目で見て、

問題点を浮き彫りにし

現場と一緒になって解決する。

このサイクルが巧く廻れば、生産技術は正当に評価されるハズ。

(ハズと書いたのは、正しく見ることが出来る人が居るかどうかがポイントになるから)

 

三、先人のノウハウが活かせない

開発・設計部門には「図面」と言う、一種のバイブルがあり、

新人は、これを模倣するところから一人前の技術者に育つ。

しかし、生産技術のノウハウは、

個人の頭脳と体にしまい込まれ

新人は、一種の徒弟制で仕込まれるため、

優秀な先輩に当たるかどうかで、先が決まってしまう。

生産技術データベースがあれば、ある程度(基本的なところ)は、

経験の共有化が出来るのだが・・・

政府が唱えるIT革命が製造業にも入り込めば(考え方として)

実現は可能なんですけどね。

どうやるかは、考えて下さい。

(また考えて下さいか、本なのだから、そこまで解説してよ・・・

なんて声が聞こえそうですが、自分で考えることで智恵が付く)

 


四、悩みは自分で解決するしかない

冒頭にも述べましたが、本編は

『悩める』生産技術者へ贈るものであり、悩みが無い人には、

全く関係ない項目に入って来ました。

 (自己研鑽を積まない人には、問題意識が無く、悩みは無い)

まず、何が「悩み」かを明確にすること。

「自己の保有する固有技術レベル」

「対人関係が巧く行かない」

「情報収集が巧く出来ない」

「先を見た企画が出て来ない」

まあ、人様々の悩みがあるでしょう。

まず、これに気付けますか?

対象(症状)を自覚し、その原因が判れば、解決は楽になります。

原因の多くは「環境」と言った他責に起因しているものが殆どですが

上司は、「自責で解決しろ」と言う。

この発言こそ他責(上司の責任を回避している)なのですが、

自責=美徳と教育(刷り込み)されていますから、聞き流すしかない。

しかし、環境改善の努力は、まずやって見ましょう。

(だめで元々)

その後ですが、巧く解決出来なかった場合、投げやりにならず

「勝手にしろ」と、心の中でけじめを付けることです。

結果は自然な方向に向かいます(マーフィーの法則どおり)

最終的な責任は、上司が負う事になりますから、気にしないこと。

(但し、上司からの文句は、渋々聞かなくてはなりませんが・・・)

残念ながら、あなたの悩みは、他人にとっては無関係。

だから、無関係な人が困る事態になったっていいじゃない。

と、思えれば「悩むこと」がムダなエネルギを使うことと気付けます。

矛盾した言い方ですが、悩むことは大切ですし、自分を鍛える糧です。

しかし、それが過度に内攻することが問題で

自らの精神構造を破壊することになる。

自分の精神的負荷強度を自覚し、外乱とのバランスを巧く取る

この智恵を持つことが、自分で解決する道です。


第五章 明日に希望を

 

一、モノ作りは日本の根幹

重複しますが、資源の無い日本は

資源を輸入し、加工して付加価値を付け

外貨を稼いで来た。

二十一世紀の今、その構図は変りましたか?

大量生産・大量消費・大量廃棄

のニ十世紀は僅かなリサイクル資源を残してくれましたが、

輸出立国であることに変りありません。

大企業ほど、大量生産体質は抜けていない。

(多品種・少量と言いながら・・・)

過去の生産財に制約されているためかも。

これに対し、一部の中小企業の活性度には、目を見張るものがある。

言い方を換えれば、恒に変化している。

背景には、大企業にコストで叩かれ、挙げ句の果て海外へシフトされ

自活するには、「独自の固有技術」しかない、との経営者・従業員が一体と

なった、智慧出しの結果なんです。

結局はハングリー精神です。

あなたが、どんな規模の企業に属しているかは、私には分かりませんが、

大企業にドップリ漬かり、安定した給料を貰っているあなた・・・

リストラに合ってからでは遅いですよ。

大企業でも、部下の行動を見ている人は必ず居る。

その人の評価が受けられるべく、自助努力している人は、

必ず日の目を見ます。

リストラなんて無関係ですよ。

ただ、異動の可能性はあるので、めげずに努力を続けることが大切。

中小企業に属している人は、この本は読まないでしょう。

本なんか読んでいる暇が無い。

(ところで、リストラってどう言う意味でしょう?

単なる「人員排除」でないことは分かっているのでしょうか・・・)


二、企業は人なり

言い尽くされた言葉ですが

最終的な企業力は、関連企業を含め

従業員・パート・臨時社員の働きで決まります。

どんなに投資しても、完璧な無人化は出来ませんし、

ましてやロボットが人間に取って代わる時代はまだまだ。

一番優秀な自動機(失礼)は人間です

もっともっと活用しましょう。

企業では「人材」と表現しますが、

「人財」にも「人罪」にもなるのが人。

「人在」位ならまだまし。

(2:6:2の法則)

 

活用と労働強化は別です。

待ち時間と、ムダ時間を排除すれば

効率の良い、フレキシビリティーのある工場が実現出来ます。

「人に優しい工場」の実現

とまあ、言うのは簡単ですけど、「企業は人なり」とは、経営者の言。

我々担当のレベルでは、

人にムリをさせない方法をひたすら考え、実現することに邁進しましょう。

 

三、方向転換も選択肢

長々と書き綴って来ましたが

活字離れの叫ばれる昨今、

そろそろ筆を置きます。

本当に悩んでいる生産技術者が多く、

私も中途採用の面接に何回も立ち会いましたが、

総じて元気が無い。

五章に分けて、カンフル剤のつもりで書き連ねて来ましたが、

冷静に見方を変えれば

本当に生産技術がいやでいやで仕方が無い、と言う人も居るでしょう。

そんな人へのアドバイス

一、サラリーマンが嫌いですか?

二、同僚と巧くやって行けますか?

三、機械現場に馴染めませんか?

四、出世が遅いと感じていますか?

 

一、サラリーマンが嫌いですか?

唐突な切り口で済みません

生産技術の問題ではありませんね。(遠因になっているかも)

独立をお勧めします。

自治体でも、創業支援をしています。

ただし、独立出来る自信があればです。

 

二、同僚と巧くやって行けますか?

自己の殻に閉じこもる要因です。

最悪、神経症を引き起こすことがあります。

上司と良く相談し、適正な職種へ異動することです。

ただ、その先はあなた次第ですよ。

三、機械職場に馴染めませんか?

製造業を選んだところが間違っていましたね。

(本書は、機械系出身者を対象に述べています)

トラバーユしましょ。

 

四、出世が遅いと感じていますか?

何をして遅いと言うか、定義していませんが、

工場幹部には確実になれます。

それが、三十代か四十代か、人によりスケール(物差し)が違いますから、

各自の判断でしょうね。

企業によっては、取締役への道も開けているでしょう。

(なりたいかどうかは別問題)

 

悩める生産技術者へのメッセージが、

突き放すような言い方で終わりそうです。

結局、自分で考えるしか解決策はありません。

(悩み抜くこともいい人生経験です)

 

あとがき

 

私自身、今でこそ独立し、好きな生産技術研究を机上で行いながら、

たまに「本当に困っている企業」を対象にコンサルティングを行っています。

 正直、不況の影響が大きく、順風満帆で行っているわけではありません。

手前味噌になりますが、私自身、世間的には通用する生産技術者だと自負しています。

第三者が評価してくれてましたので、その気になっているだけかも・・・

そんな訳で、退社する時は大騒ぎになりました。

しかし、会社の期待に耐えられなくなってしまったのです。

一番のストレスは海外出張です。

一週間で地球一週を二回やらされた。

自信はありませんが、英語圏ならまだしも、イタリア/フランスへの出張は最悪でした。

 帰国後、胸が苦しみ出し、数日休暇を取り自宅で寝込みました。

 何とか収まり、出社しましたが、今度は下痢が始まり落ち着いて執務する状態でなくなりました。

 心身症になっていたのでしょう。

 過去にも、狭心症に似た発作を数回経験し、

心臓専門医(日本でも五指に入る先生)に精密検査をお願いした事がありました。

 苦しい検査(一回当たり二十分掛かるX線断層写真を一日で二回)を受け、結果は異常なしでしたが、

先生曰く『「強度のストレス」「過労」などの影響で、心筋が痙攣し狭心症に似た症状を引き起こし、

行き着く先は狭心症と同じ』と言う診断を受け、ニトログリセリンを処方して貰っていたことを思い出し、

このままでは生命への危険があると判断、悩んだ挙げ句「退社」を選択しました。(誰にも相談せず独断で)

しかし、一家の大黒柱の突然の退職は、家族にとっては大きなショックですね。

 リアクションは、ダイレクトに私に向けられました。

(特に妻はパニック状態になり、そのことも私の負荷になりました)

 退職し失業保険を受けていたら、恐らく私はノイローゼになっていたでしょう。

 その時、救ってくれたのは人脈でした。

 「荻原さん、会社辞めても仕事止めた訳じゃないでしょ」

 この一言で起業を即決し、退職二ヵ月後には会社を設立しました(法人として)

 ですから、失業保険は受給している暇がありませんでした。

(今思うと勿体無いことをしたと残念ですが・・・)

 会社の設立は簡単です。が、維持は大変です。

 社会保険適用申請、確定申告(決算報告)など、会社の規模に関係なくやらねばならぬ義務が生じます。

 計理士や社会保険労務士がナゼ存在するかが、実感として良く理解できました。

 しかし、私は経営コンサルタント会社を設立したはず。

 決算報告書こそ、初年度は専門家に依頼しましたが、次年度以降自分で全部やっています。(パソコンのお陰です)

 お陰さまでいろいろ智慧が付きました。

 顛末の詳細は当社のホームページに載せてあります。(練習で作りました)

 メールで、年末調整に関する質問が寄せられたことがありました。

 私自身は専門家(有資格者)ではありませんから、第三者への指導は出来ないことを伝え、

私見と言う形で返信しましたが、思い掛けないリアクションがあるものだと、

改めてインターネットの面白さを体感しました。

 

 記述が、発散し始めました。

 要は、私自身が「悩める生産技術者」だったのです。

 

また脱線しますが、軌道修正の一助は「般若心経」でした。

 退社後、暇を見ては家の整理をしていましたら「写経」の手本が出て来たのです。

 一応読んでは見るものの訳は判らず、会社設立と並行し、解読作業を始めちゃいました。

 これもHPに記述しています。

 たまたま、西村公朝さんの書籍に出会い、一通り読むうち、何となくヒントを得、手本を書き換えたところ、

心経の構成が解り自分なりの解釈が出来、心のモヤモヤが晴れたと言う経験もしました。

 本気で精神科を受診しようと予約まで入れましたが、自己分析し

 「不安神経症」と勝手に診断しています。

 不安の元は沢山あります。

 医者は、そんなに心配するな(不安に思うな)と言いますが、不安なものは不安に変りありません。

 要は、自分と巧く付き合うことと、私自身結論付け、

何とか世間様には迷惑掛けることもなく、逆にお役に立たせて頂いています。

 たまには、発作を起こしながら・・・

 

 決して、私の真似をせよ、と言うことではありませんよ(念のために)

 私の悩みレベルまで行かないように、巧く軌道修正して欲しい、と言う気持ちで本編を書きました。

 個人個人個性と言うか、生まれ育ちが違います。

 神経質・潔癖症な人ほど自分を追い込みます。

 いい意味で好い加減にやりましょうよ、いい加減=よい加減としてですよ。

 

 前述しましたが2:6:2の法則

 これは、組織の中で優秀な者が2割、適当(よい加減)にやっているのが6割、

足を引っ張る「人罪」が2割、必ずこの比率に分布するそうです。

 ですから「人罪」を切ったとしても、残り8割がこの比率に分化します。

 欲を言えば「人財」に、そう踏ん張らずに「人在」でもいいじゃありませんか。

 

 自分が何に悩んでいるかが解ればしめたもの、必ず自力解決出来ます。


おまけのページ

 

本編は、文字(記号)のみで構成しました。

(これを私はデジタルの世界と表現しています)

そこから、どの様な光景を描くかは読者の皆さんそれぞれ異なるはずです。

(これをアナログの世界と定義)

 

でも、勝手に描いて下さい、では著者として無責任でしょう。

(私のアナログをデジタルにしたのが本編ですから)

ほんの少しだけになりますが、私の実体験事例を数例紹介します。

 

一、人材育成

優秀な人間から動かせ。

上司にとって、優秀な人材は重宝です。

ですから、人員削減の候補には、出来ない(使い難い)人から異動させるのが常套手段になり、

受け入れ側も迷惑千万と思いつつ仕方なく対応します。

その結果の一番の被害者は誰でしょう?

異動させられた当人ですね。

私のやり方は逆でした。

ナンバーワンから異動させました。

どうなると思います?

係長の激しい抵抗に晒されました。

それは、想定してやっているわけですから、こちらにも回答集は持ってます。

最後の最後は職位で強行しましたが、回を重ねるにつれ、ナンバーツーが育つので係長も安心するようになり、

三年を過ぎる頃からこちらから言う前に、「課長、今度は彼でしょう」などと、自己申告するようになりました。

結果として、職場の活性化になったわけです。

(優秀な人を置き続けると、総体として人材が育たない)

ハッキリ言って、人の育成は難しい。

でも、その難しさを克服出来た職制は器が大きくなります。

結果、何度も言いますが、強い(連帯感のある)職場が出来ます。

七年掛かりましたが、絶対値で二倍の生産性を実現出来ました。

(絶対値と表現したのは、数字は幾らでも操作出来、見掛上の成果で騙せる)

前述の事例は、組織間の異動の例ですが、自職場内でも同じ手法は使えますし、

逆に同僚に見えますから、大きな動機付けになるんですね。

(間接職場も同じ)

 

二、設備投資

僅か四文字ですが、これが難題なんです。

 

イ、古くなった設備を入れ替える

入れ替えだから簡単じゃない。なんて言わないで下さい。

通常設備は十年以上持ちます。

工作機械メーカーは、そんな古い機械を作り続けていますか?

普通機能アップした新鋭機を用意しています。(価格も高くなる)

ですから、単純に入れ替えなんて出来ません。

私の場合、更新出来ないが、使い続けなければならない機械は、自前で修理し寿命を延ばしました。

簡単なようですが、実はこれは難しい作業です。

機械メーカー独自の、社内秘に属するポイントがあり、それを知らずに形だけ修理しても、かえって壊してしまいます。

でも、熱意があれば通じるもので、「やっちゃったのですか、ジャ仕方ありませんからお教えします。」

てな具合でノウハウを得たことも一回や二回ではなかった。

結果十分の一の費用で、十年延長し使い続けた機械もありました。

今の、遠慮深い生産技術者には出来ないでしょう。

 

ロ、新鋭機への入れ替え

プロセスとしては、これは楽です。

現に市販されている設備(機械)の中から、選べばいい。

(本当は違うのですけど・・・)

本例の場合、目的は様々ですので一概には言えませんが、

@   新製品対応

A   増産対応

B   品質向上対応

C   省力・省人化

D   広い意味での生産性向上

等々が代表的な目的になっていると思います。

 私の経験では、県内にある国内でも大手の電機メーカーの密閉型コンプレッサの加工と組立てラインを見る機会を得ました。

 特に、加工工場は完全無人仕様のラインが加工機種毎に(確か3ライン)並べられていましたが、

見事に「止まって」いました。

 聞けば、初期トラブルの続出とか。

 組立てラインを含め、総投資額は百億円掛けたそうです。

 当時の工場長と同行し見学したわけですが、

 彼曰く「荻さんさ、どう感じた?」

 私の答え「私なら、半額以下でもっと柔軟なラインを作ります」

 「やはり投資し過ぎだよな・・・」

 大企業の投資感覚の鈍さを直視した一件でした。

 

 具体的な名前を出しますが、トヨタの元町工場を見学したこともありましたが、こちらは世界的な大企業。

 さぞ大金を遣っているのだろうな、との先入観で工場に入りましたが、古い建屋に古い設備が並んでいる。

 素人目にはボロ工場としか映らないでしょう。

 事実、製造担当役員が同行していましたが、「これが世界のトヨタの工場?見る価値あるの?」とのお言葉

(わざと「お」を付けてます)

 「この工場にはとんでもない仕組みが張り巡らされていますよ。私には真似は出来ません」と答えたのを覚えています。

 大企業=金銭感覚の鈍さ

 ではないのです。

 

 目的にはいろいろ挙げましたが、ポイントは「何をするか」と言う基本機能の押え方でしょう。

 基本機能に対し補助機能がありますが、機械メーカーのセールスポイントは、補助機能ですよ。

(全てとは言えませんが)

 この点をシッカリ分け、基本機能を押えてから補助機能を付加して行くことが出来れば、ムダな投資は防げます。

 特に、省人化を狙った場合、稼働時に人が付いていたら、その投資は失敗と思って下さい。

(実現には智恵がかなり要りますが・・・)

 私の経験範囲では、工程間の「つなぎ」が巧く行っていないために、単なるハンドリングに「人」を配している事例が誠に多いのです。

 

ハ、外注指導

 正直言いまして、私自身この経験は少なく、二十社程度でしたが

 難しさと、達成感は経験出来ました。

 まず「難しさ」

 既に記述しているのですが、お忘れになった方のために・・・

 根っこは「信頼関係」です。

 発注企業と外注との接点は「購買部門」が多いと思います。

 (こればかりは、他社事例が分からない)

 私の経験では、一方的な値引き交渉をヤクザ並にやっている姿だけ。

 外注にしてみれば、「技術指導しますよ」と言っても、俄かに信じられないのが道理。

 その障壁(単なる壁レベルではない)を拭い去るのに、多くのエネルギーを費やしましたが、本質は「真心」だと思いました。

 彼らは、人間不信に陥っているわけでなく、対発注企業への「怨念」を持っているケースが殆どでした。

 私と言う「個人」を知ってもらうこと。

 何を目的に訪問しているかを、具体的に噛み砕いて説明し、理解を得ること。

 目に見える結果を出すこと。

 実行は各企業自身が行うこと。

 等々、基礎工事は大変でしたが、それを確実にやった結果、

その後の進展は社内指導よりもはるかに速く、確実(指標は、時間で換算しました)な成果が得られました。

 私自身コンサルタント料を貰っているわけでなく、具体的なメリットはありませんでしたが、

当該社の喜ぶ姿と「ありがとうございました」の言葉が、大きな達成感として得られました。

 話しは少し戻りますが

 当初は社長は同席するものの、担当者だけが対応し、聞く振りをしているだけ。(雰囲気で分かります)

 まず、実際に現場を見せてもらい、主観的に問題点をピックアップ。

 その後、会議室で彼らが捉えている問題を客観的に聞き、見方・考え方の相違を頭の中で整理。

 具体的な対策案を聞いても、出てくればいい方で、殆ど成り行き任せを黙認している。

 そこで、簡単に出来る「改善策の練習」を示し、やり方まで文字と絵で残して来ました。

 次回訪問すると、実行している企業は半数位だが、行動した担当者は顔色が変っており、進んで感想を話してくれるようになっていました。

 例えば、「この間の件はどうでしたか?」と水を向けると、「人が減った、時間が短縮出来た」などと嬉しそうに話してくれるんです。

その様なことを繰り返すうち、聴講者が増える会社もありました。

具体的な成果が実感できただけに、ほかの人にも聞かせたいと言う心理が働いたのでしょう。

また、別の会社ではこんなこともありました。

一人の作業者がNC工作機を複数台持ちしているのですが、手空きが生じている。

「社長、今彼何してます?」

「ハッ」

「金になることしてませんよ。社長はあの時間にも給料払っているのでしょう?」

「言われて気付きましたが、機械が大きいので仕方ないんじゃないですか」

「まあ、給料払うのは社長ですから、良ければ良しとしましょう」

と言った会話を現場でして、私は自社に帰りました。(価値観は人により違います)

ところが、次回訪問した時、真っ先に社長の口から出た言葉は

「荻原さんに言われた後、夜も寝られなくなりました、どうすればいいのでしょうか?」

でした。

今時儲かっている中小企業なんてありませんから、解決すべき課題と捉えたのですね。

同時に十五社指導していましたが、これだけレスポンスの早い経営者は稀でしたので、こちらがビックリ。

不眠症にさせるのが目的ではありませんでしたから・・・

さすがに、その時は咄嗟の返答が出来ず

「もう一度現場を見ましょう」

と社長の案内で一巡しました。

すると、部品を溜めてバッチ処理している加工が目に入った。

都合よく設備も小さく移動が容易。

「社長、この作業をあの作業者にやらせて見ましょう。機械をNC機の間に置き、手待ち時間でやらせて見て下さい」

正式には、作業分析と時間測定を行いマンマシンチャートを作り、可能性分析をするのですが、

その時は「カンピューター」で出来ると判断したわけです。

次回の訪問時、社長の顔には笑みが浮かび

「巧く行きましたよ、人も機械も遊ばないようになりました。お陰で夜はグッスリ寝られます」と・・・

私は精神科医でもカウンセリングしたわけでなく、現場をいじっただけです。

これを機に当該社は、改善に目覚め私の意見を、本当に真剣に聞いてくれました。

先に述べておけば良かったのですが、私のやり方は、

グループ研究会を作り、一対一でなく、他社の経営者も都合が付けば同席するものでした。

(相互啓発を目的としていましたから・・・)

十五社も同時進行していると、中には脱落する会社も出ます。

(大体、社長の態度で解ります)

去るものは追わず、一年程で八社になりましたが、私には関係ない(楽になって良かった・・・なんてね)

私が関わった期間で、五社が付いて来れました。

三社は、私が断った。

「私は、暇で来ているわけじゃありませんよ、第一社長が同席しなくなったのは、関心が無くなった証拠ですね。もう来ません」

元来、冗談好きの私ですが、実務は別。

言葉通り二度と訪問しませんでした。

残り五社中、二社は同族会社で兄貴が実権を握り、結構生意気な(失礼)お方でしたので、私は口を挟むのを遠慮していました。

が、ついに

「荻原さん、うちにもアドバイス下さい」

との依頼が、専務の口から出た。

兄さんが社長をやっている工場も含めてなので、恐らく弟の口を借りたか?

その会社は実力は抜群で、外注グループのリーダー格(実際のリーダーは声の大きい人がなるらしいが)なので、

こまごまとした言い方でなく、ポイントの指摘をさせて頂いたが、既に大企業病の症状が表われており、実行動はあまりやらなかった。

(マいっか)=まあいいか、と言う意味

 

この他には、経営者はやる気満々だが、部下の職制より年が若く、巧くコントロール出来ないと言う、

環境に恵まれない会社とか、いろいろありましたが、いい経験をさせて貰いました。

外注指導は、場数を踏むことに尽きます。

(真剣に真心を持ってですよ)

 

ニ、システム導入

最近でこそ、IT革命などと政府が騒いでいますが、千九百九十年代には先を見た企業は、

コンピュータシステムを導入し、トップ自ら先頭に立ち「情報活用」をやっていました。

私もコンピューター大好き人間で、まだパソコンが世に出る前から、知識として持ち合わせていました。

(当時個人で買える代物ではなかった)

ですので、パソコンが市販されると同時に購入し、連日の徹夜も厭いませんでした。(会社で寝てた・・・アハ)

確か当時のパソコンはニーモニックかBASICで、アプリケーションは自作。

そんな時代から較べれば、今のパソコンは当時のオフコン以上の機能・性能を持っています。

何が言いたいかって?

要するに、人が考えることは何でも実現できる時代になったと言うこと。

失敗談から白状すれば、

あるシステムメーカーの工場管理システム(当時はPOPと言っていました)を全機能込みで導入したことがありました。

確かに、便利に使えましたが、私の後任者に換わった「瞬間」そのシステムは死にました。

結局、私のためのシステムだったと言うことだったのですね。

1システム二千万円を2システム導入しましたから大きなムダ金となったわけです。

脱線しますが、私は鉄道が大好きで、新幹線のCTCシステムに大いに興味を持っていました。

それを、自職場(加工職場で工作機械が千台以上あった)に入れてしまったのです。

後任者は、現場の状態などどうでもいいお方だったらしく、結果数値を取り繕って上に報告していた様です。

でも、いい経験をさせて貰いました。

その後、金型工場の工場長になった時、

納期管理に特化したシステムを、実際に使うメンバーでプロジェクトを作り、企画・設計・導入・運用まで任せました。

しかし、彼らはスケジュールの作成と進捗管理が不得手で、そこは私が補完しました。

導入後八年が経過していますが、活用している様です。

改めて言うまでもなく、システムとは「ある目的を効率的に達成するための仕組み」です。

ですから、アプローチの仕方は無数に考えられます。

設備投資のところでも述べましたが、目的は何かをシッカリ押える(企画する)ことです。

 

ホ、工場建設

私自身、工場建設に携わったのは海外工場を含め4件位しかありませんし、企業により思想が違いますから、

ここで私の経験談を記述しても、本編の目的から離脱しますので、止めます。

ただ、テーマとしては在りますと言う程度に理解して下さい。

 

ヘ、工程設計

これは、基本に着目すれば各社共通でしょう。

一番の基本は、工程設計者が作業を経験することです。

自分に出来ないこと、やり難いことは一般作業者にやらせてはダメです。

また、いきなり自動化を考えないこと。

人間の手で出来ない(やり難い)ことは、機械には出来ません。

人手でやって、ムダを見付け、排除し、よりシンプルな工程(作業)を設計して下さい。

(安心して工程を歩けるように フフ)

 

以上、大括りで経験談を紹介しましたが、

製造課長、金型工場長など現場経営をやらされながらも、心は一貫して生産技術者でした。

アッと言う間に二十五年が過ぎ、最後の仕事として、

世界各国に散在する工場で共通に使える生産技術データベース作りをやっていましたが、

経営層の理解が得られず(体調不調も手伝い)止む無く会社を辞し、自分で作る道を選択しましたが、

コンセプトでは実験段階になっています。(インターネットがヒント)

しかし、活かす工場が無い。

このジレンマと戦っています。

逆に、ノルマが無いから、マイペースで適当(いい加減と言う意味ではありません)にやっています。

インターネットと言う表現を使いましたが、

社内情報は直に載せてはダメです(セキュリティの問題)あくまでもHTMLの技術が使えると言うこと。

一般的には「イントラネット」の表現が使われます。

 

最後の脱線です。

前に般若心経の話しを書きましたが、心経の構成はインデックスの役割を持っているようです。

二千五百年前の釈迦の教えを、僅か262文字で語り尽くすことは出来ません。

サンスクリットを中国文字に翻訳したのは玄奘三蔵ですが、

彼自身多くの経典を写経し、釈迦の教えのエキスを理解したのでしょう。

ここで、心経の解説をする気はありませんし、読者も関心は無いでしょう。

しかし、あえて言えば「人の心の悩みを救う」と言うのが、釈迦の基本スタンス。

こんなことに困ったら(悩んだら)こう言う経典がありますよ。

と言うガイドの役割も持っています。

そして、その結果得られる真実(真言)は、こう言うことです、が心経のエキスの様です。

(私自身の解釈ですが・・・)

 

生産技術と般若心経を同列に並べるつもりはありませんが、

解読の結果、私が考えていた生産技術データベースの構成を、

心経と同じような目的のインデックスを作ることで実現出来そうだと気付きました。

そして、それを具現化する手段がインターネットの手法HTTPだったと言うことです。

 

本編は出版を目的として書きましたので、何を言わんかとしているところは実感として捉えられないでしょうが、

筆者のHPではリンクしながら、固有技術を解説しています。(内容的には不十分ですが、叩き台です)

機会があったら覗いて見て下さい。

検索エンジンで「オーペック」をキーワードとすれば、多分真っ先に出てきます。

 

今回はこの辺で筆を置きます。

また機会があれば、お会いしましょう。