企業秘密漏洩に刑罰(2002年読売新聞転記:発行月不明)

不正競争防止法改正

 経済産業省は十一日,企業が社外に秘密にしている生産技術やノウハウなどが漏洩された場合,新たに罰金などの刑事罰を摘要する方針を明らかにした。
 企業戦略にとって,知的財産としての企業秘密(営業秘密)がますます重要になっているため,企業秘密保護を強化し,日本企業の競争力強化を図る狙いだ。経産省は,刑事罰適用を盛り込んだ「不正競争防止法」の改正案を二〇〇三年の通常国会に提出する方針だ。
                       中略
 企業は一般的に,特許化して公開するのが難しい生産技術,設計技術,性能評価基準などのノウハウを企業秘密として外部に漏れないように管理している。現行の不正競争防止法は,これらの企業秘密の漏洩や不正使用を「不正競争」として禁止している。
 しかし,漏洩した技術などの使用の差し止め請求や,損害賠償請求など民事上の措置が取れるだけで,刑事罰は適用されない。また,製造技術は実態のある「モノ」でないとして,漏洩したとしても刑法の窃盗罪の対象とならないのが難点だった。
 一方で情報技術(IT),バイオテクノロジーなどが急成長し,企業の営業秘密の保護が一段と重要になっている。労働力の流動化に伴い,転職した社員が他企業に生産技術を漏洩するケースも想定されるため,経産省は,刑事罰を適用するなどの規制強化が必要と判断した。

                       後略


戻る